これっていいなぁ~

子どものころ、クリスマスツリーを出す日は、まるで家の中に“冬のお祭り”がやってくるような特別な日でした。押し入れの奥から大きな箱を引っぱり出してくるだけで、胸がわくわくしたのを覚えています。

ツリーを組み立てるのは大人の役目。でも、飾りつけだけは子どもの出番でした。箱を開けると、毎年同じはずのオーナメントが、なぜか少しだけ宝物のように見えるんです。金色のボールや小さなサンタ、ちょっと色あせたリボン──どれをどこに付けるかで本気の争いが起きたりして、家族が笑いながら言い合うあの時間が、何より嬉しかった。

ツリーのてっぺんに付ける星は特別で、背伸びして届かないのに、絶対に自分が付けたいと思っていました。大人に抱き上げられて、星をちょんとのせた瞬間、ツリー全体が急に完成したように見えて、なんだか自分がすごく立派になったような気がしたものです。

最後に電飾のスイッチを入れると、パッと灯りがついて、部屋が温かくなるような気がしました。色とりどりのライトがゆっくり点滅しているのを眺めているだけで、まるで時間が止まったみたいで、うっとり見入っていました。

あの頃のクリスマスツリーは、大人になってから見るどんな豪華な飾りよりも、ずっと輝いていた気がします。ツリーそのものよりも、家族と過ごした飾りつけの時間、その空気感が今でも心の中に灯っている──そんな思い出です。